ラフレター from オーストラリアのアデレード

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zoom RSS レター # 151. 9月16日(水) ちぢちち襲われるの話

<<   作成日時 : 2009/09/16 08:58   >>

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暖かくなりよく見かけるようになってきたボトルブラッシュ(Bottle Brush)の見事な赤。日本では“ブラシノキ”とか“金宝樹”と呼ばれるこの木はオーストラリア原産。こちらでは「コップを洗いませんか?」と語りかけてくる春の風物詩となっている。初めて見た去年は珍しくキョロキョロと眺めたものだが、オーストラリアで迎える2回目の春となる今年は少しは余裕をもって観賞できるようになった。

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               「コップ洗っていますか〜?」

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しかし、そんな余裕を出していると足元をすくわれるのが世の常。父を突然の不幸が襲ったのだった。
(といっても、今日のラフレターは天国から送っているものではない。)

それはある朝ランニングをしていたときのことである。
人影があまりなく、小川(夏の乾期にはなくなる)と鳥のさえずりが心地良い自宅近くのいつものランニングコースを、あと2週間後に迫ったCity-Bay Fun Run(アデレードのシティ中心からビーチまでの12kmを走るマラソン大会)に向けて気合い十分に走っていた。走り始めてから5分ほど経った時、辺りの静かな雰囲気の中に何か殺気だったものを感じた次の瞬間、「パチンッ!」と耳のすぐ横で突然大きな音が響いたのだった。
ビックリして辺りを見渡すも誰もいなく、何かが落ちてきたわけでもない。ただ緑の土手と小川、ユーカリの木がひっそりとそこにあるだけである。しかし何やら薄気味悪い気配だけは確かに漂っていた。
気を取り直して走り始め、20歩ほど進んだときにまた耳元で「パチンッ!」。そして目の端には白と黒の影が飛んでいくのが入った。

マグパイ(Magpie)だ。
マグパイが通りすがりざまにクチバシを合わせて大きな音を立てているのである。

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          こいつがマグパイ。白黒のカラスみたいだ。

カラスより一回り小さいが形が良く似たその鳥は、やはり日本のカラスのようにどこでも飛んでいる珍しくない鳥だが、そいつが威嚇してきているのだった。
威嚇だけではなく、本当にあのクチバシで突かれると痛そうなので、後ろを時折振り返りながら少し用心して走るペースを上げた瞬間、今度は視界から景色が消え、足に激痛が走った。

転んだのだった……。
そしてその痛みは、舗装されている道路の端に足が掛かり「カクッ」と足首がねじれたところにスピードで勢いのついた体重が乗った、絵に描いたような見事な捻挫だった。
まるでマグパイに押し倒されたかのようで、ヒトとしては物凄く切ない状況だったが、ヤツはまだ攻撃の手を緩めそうもなく、上からこちらを見下ろしている。ここは一先ず退散とばかりに足を引きづりながらゆっくり歩いてその場から立ち去ろうとする父に、ヤツはさらに執拗に襲ってくるであった。
「パチンッ!」
「クソー、『指パッチン』でもできれば少しは対抗できたのかもしれないのに…」。

あとから聞いたことだが、巣で雛を育てるこの季節、マグパイがとても攻撃的になるのはオーストラリアでは有名な話だそうだ。
この足ではマラソン大会も無理かもしれない……。
あと4日。足首の腫れはようやく引いてきたが、走れるかは微妙である。
恨めし、マグパイ。

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               悪夢の襲撃現場

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          後日現場に戻ってみると、立派な巣があった。


父が襲撃されてから我が家はすっかり医者づいてしまった。
ヒヨは腹痛を訴え、熱を出した。
生憎我が家のGP(ホームドクター)は不在で他の医者に診てもらったが、結局これということはわからずにパナドールを薦めてもらっただけだった。
パナドールはこちらでは広く普及している解熱・鎮痛薬ブランドだが、既に一般名称となっていて、薬局でも医者でも大抵「じゃあ、とりあえずパナドールで」ということになる。その効果はさておき、製品の知名度はそれはそれは絶大なのである。我が家では調剤薬局で「これはパナドールではないけど、パナドールと同じ成分でしかも安いからお薦めよ」と言われて違う名前の薬を買わされてきたほどである。

「とりあえずパナドール」でヒヨも少しは良くなったようだが、薬が切れるとまた苦しみだした。次の日再びその医者を訪れると、一応大きい病院に行ってみた方がいいかもしれない、ということで紹介状を書いてくれた。その足で病院の救急外来に行き、待つこと3時間。レントゲンを撮ったり、血液検査をしたり、と診てもらったものの(外科の先生が盲腸まで調べにきた)、結局これといった診断はなく、やはり「パナドールで様子を」ということだった。
そして次の日の朝、ヒヨの様子は次第に良くなり、その夜にはすっかりいつも通りのウルサイ小悪魔娘に戻っていた。
それにしても本当にパナドールは効くのだろうか?
恐るべし、パナドール。

同じころ、オーストラリアに来てから一度も医者にかかったことがないことが自慢の妻までも、とうとう初医者を体験した。
たまに息もできないほどお腹が痛くなるという。寝ている時でさえ腹痛がするというが、いっこうに医者に行こうとする様子はない。
そんなことを数日繰り返した後、父が取ったドクターの予約時間にようやく妻は一人いそいそと診察に出掛けていった。
ドクターはいつものDr. NG。中国系のこの医者との筆談はこの日も冴え、「大便」と漢字で書いて説明してくれたという。
色々と問診した結果、Dr. NGが出した診断は何と……、
「お酒の飲み過ぎ」。
妻はかなりしぼられて帰ってきた。
ワインが安くておいしいアデレードで生活を始めて1年4ヵ月。内蔵もちょっと疲れてきているようだ。
控えよう、アルコール。
と自分に言い聞かせるついでに、父にも巻き添えの週1回休肝日を義務付ける妻であった。

何はともあれ、それぞれ苦しい思いをしたが、もうみんな大丈夫。

オーストラリア在住の方はマグパイとお酒の飲み過ぎにはくれぐれもご注意を!









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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
まあ、偶然にも私も指パッチンネタ書いてましたわ(笑)あらら、災難でしたね。マグパイ気をつけないとってか、足元気をつけないと。パナドール飲んで治すしかないですね。奥様には、くれぐれもお気をつけ下さいとお伝えください。って、みいなって誰だよと思われましたら Rでございます。
みいな
2009/09/17 15:29
みいなさん

…っていうか、Rさん。
R、R、R....と思いつくままに女性の名前を挙げていたら、「それ誰?」と妻に痛くもない腹を探られてしまいました…。
そうですね、妻にはくれぐれもこちらが気をつけた方がいいですね、こちらが!?

指パッチン、ジョシュ君今度教えてね。
ちぢちち
2009/09/17 22:36

大丈夫?
無理しないでね
普段から走ったり、マラソン大会に出るくらいだから今も若い頃の体型をkeepしてるのかな

どちらの奥様もお酒がお好きのようで…
ハッハッハ
toshi
2009/09/17 22:48
toshiさん、

大丈夫ですよ。
体型?keepしてますよ。まだ若いしね、お互いに!!
むしろ、日本から持ってきたズボンがゆるゆるになって困っています。これって良いのやら、悪いのやら…。
もしかして、まだまだビールを飲んでも大丈夫!ということかもしれませんね。
ところで、toshiさんは大人になってから飲むようになったのかな?
ちぢちち
2009/09/19 21:16
マラソンなんて小学生以来か?今は無理するなと言う意味で足捻挫に、お酒休刊日だな。
相変わらずで、ま、楽しそうで何よりだよ
なおと
2009/09/22 01:44
なおとさん、

お久しぶり!元気ですか?
マラソン大会には実はちょこちょこと出ては、せこせこと走っているよ、オヤジになってからも。

相変わらずで、”楽しそう”?
そ、そ、そうかもしれないかな、休肝日以外は…。
ちぢちち
2009/09/22 23:46

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