レター # 129. 4月15日(水) イースターバニーの話
ヒヨの学校が休みとなった先週の金曜日から車で旅行に出掛けてきた。
行った先は隣のビクトリア州である。隣といってもとにかく広いオーストラリアなので走行距離は大層なもので、6日間で2,500kmを走ったことになる。地図で見る限り、直線距離でいうと北海道から沖縄までありそうな距離である。
今回先ず訪ねたのはオーストラリアのジイジとバアバが住み込みで働いているビクトリア州シェパトンにあるフルーツ農園。アデレードを出て、途中グランピアンズというアデレード近辺にはない標高の高い山にある清里のようなリゾート地に寄り道したものの、その日1日の走行距離は900km。ジイジとバアバと再会の祝福をしたときは既に陽が沈んでいた。
農園ののどかな風景
今回は3泊ほどすっかりお世話になってしまったが、ヒヨにとっては本当に楽しいいい思い出になったに違いない。我が娘ながらあんなに楽しそうな顔を見たのは久しぶりだった気がするほどであった。
「夏休み自然教室」さながらの1日はまず寝泊まりした小屋の隣を流れる用水路に仕掛けた網のチェックで始まる。大抵ザリガニとテナガエビが入っていて、ザリガニは天ぷらに、テナガエビは同じ用水路で鯉を釣るためのエサとなる。ザリガニの天ぷらはプリプリしてとても美味だったし、テナガエビを餌に本当に50cmほどの立派な鯉も釣れた。どちらもビックリ初体験である。食事は当然のように3食ともアウトドアで、朝食が終わると今が旬のクルミ拾いに梨狩り、それに裸足でサッカーと自然の中で目を輝かせて野性児と化していくヒヨとオトだった。夕食前には近くの林に行ってうさぎがあちこちでピョンピョン跳ねるのを眺め、夜は満月で明るい夜空に中に輝く南十字星を拝む。まさにオージー的田舎暮らしである。子どもたちばかりでなく、親にとっても楽しい秋休みとなった。ジイジとバアバに感謝である。
ウサギといえば、今回の訪問は丁度イースターのタイミングに重なっていた。
父も母もイースターについて最近まで何も知らなかったのだが、イースターとはイエス・キリストの「復活祭」のことで、それにちなんで新しい命を象徴する「たまご」と多産で知られる「うさぎ」がクローズアップされている。しかし何故か今では日本のバレンタインデーのように、この時期の街にはたまごやうさぎの形をしたチョコレートが溢れるようになっている。
そして小さな子どもたちは「イースターバニー」がそれらのチョコレートをイースターの朝に密かに届けてくれることを心待ちにするのである。そう、イースターは小さな子どもたちにとってはクリスマスのようなものなのである、ただ違うのは、もらえるものがチョコレートであることと、届けてくれるのがバニーであることなのだ。
優しいジイジとバアバがこのタイミングを逃すはずはなかった。
イースターの前夜、ヒヨとオトのために用意してくれたバスケットに、農園の隅にあったワラを敷きつめて2人に渡してくれた。チョコレートのたまごの巣になるのだ。そして2人とも寝たあとにそこに入れるチョコレートを父と妻に手渡してくれたのだった。
翌日の朝、「お約束通り」バスケットに入れられた沢山のチョコレートを見てヒヨは、
「イースターバニーが来てくれた」と跳ね上がり、ジイジとバアバのところに飛んで行った。
やはり、ヒヨのようなまだ幼い子どもにとっては、自分が寝ているときにうさぎが自分のところにやってきてチョコレートを置いていってくれるなんて信じられないほど嬉しいことなのだろう。
イースターバニーが来たことを証明するのは置かれていたチョコレートだけではなかった。
来てくれたうさぎへの感謝の気持ちに「にんじん」もバスケットの近くに置くのだが、朝起きてみるとそのにんじんをかじった跡が残っていたのである。これではすっかり信じてしまう。
リアルなにんじんの歯型
が、にんじんに歯型を付けたのはイースターバニーでもなければ、父でも妻でもない。
他ならぬ「イースターバアバ」なのであった。
実はバアバは「これが大事なのよ」と言いながら、本当にうさぎのように歯を付きだしながら生のにんじんをかじって父と妻に渡していたのであった。あのときのバアバの嬉しそうな顔をヒヨにも教えてあげたいところだが、それはヒヨが大人になってからのお楽しみにしておこう。
イースターのチョコレートにはまだおまけがあった。
ヒヨに続いてジイジとバアバのところに行った父と妻が目にしたのは、ワラが敷き詰められた大きなバケツに入ったチョコレートと手紙だった。そこにはこう書いてあった。
「バスケットが置いてなかったから危うくチョコレートを渡しそこなうところだったよ。でもこのバケツがあったからラッキーだったね。オーストラリアのイースターを楽しんでくれたまえ。イースターバニーより」
ご丁寧にサインと自画像まで書かれていた。
オーストラリアのイースターもなかなか楽しいものである。
イースターバアバとジイジに感謝、感謝である。
行った先は隣のビクトリア州である。隣といってもとにかく広いオーストラリアなので走行距離は大層なもので、6日間で2,500kmを走ったことになる。地図で見る限り、直線距離でいうと北海道から沖縄までありそうな距離である。
今回先ず訪ねたのはオーストラリアのジイジとバアバが住み込みで働いているビクトリア州シェパトンにあるフルーツ農園。アデレードを出て、途中グランピアンズというアデレード近辺にはない標高の高い山にある清里のようなリゾート地に寄り道したものの、その日1日の走行距離は900km。ジイジとバアバと再会の祝福をしたときは既に陽が沈んでいた。
農園ののどかな風景
今回は3泊ほどすっかりお世話になってしまったが、ヒヨにとっては本当に楽しいいい思い出になったに違いない。我が娘ながらあんなに楽しそうな顔を見たのは久しぶりだった気がするほどであった。
「夏休み自然教室」さながらの1日はまず寝泊まりした小屋の隣を流れる用水路に仕掛けた網のチェックで始まる。大抵ザリガニとテナガエビが入っていて、ザリガニは天ぷらに、テナガエビは同じ用水路で鯉を釣るためのエサとなる。ザリガニの天ぷらはプリプリしてとても美味だったし、テナガエビを餌に本当に50cmほどの立派な鯉も釣れた。どちらもビックリ初体験である。食事は当然のように3食ともアウトドアで、朝食が終わると今が旬のクルミ拾いに梨狩り、それに裸足でサッカーと自然の中で目を輝かせて野性児と化していくヒヨとオトだった。夕食前には近くの林に行ってうさぎがあちこちでピョンピョン跳ねるのを眺め、夜は満月で明るい夜空に中に輝く南十字星を拝む。まさにオージー的田舎暮らしである。子どもたちばかりでなく、親にとっても楽しい秋休みとなった。ジイジとバアバに感謝である。
ウサギといえば、今回の訪問は丁度イースターのタイミングに重なっていた。
父も母もイースターについて最近まで何も知らなかったのだが、イースターとはイエス・キリストの「復活祭」のことで、それにちなんで新しい命を象徴する「たまご」と多産で知られる「うさぎ」がクローズアップされている。しかし何故か今では日本のバレンタインデーのように、この時期の街にはたまごやうさぎの形をしたチョコレートが溢れるようになっている。
そして小さな子どもたちは「イースターバニー」がそれらのチョコレートをイースターの朝に密かに届けてくれることを心待ちにするのである。そう、イースターは小さな子どもたちにとってはクリスマスのようなものなのである、ただ違うのは、もらえるものがチョコレートであることと、届けてくれるのがバニーであることなのだ。
優しいジイジとバアバがこのタイミングを逃すはずはなかった。
イースターの前夜、ヒヨとオトのために用意してくれたバスケットに、農園の隅にあったワラを敷きつめて2人に渡してくれた。チョコレートのたまごの巣になるのだ。そして2人とも寝たあとにそこに入れるチョコレートを父と妻に手渡してくれたのだった。
翌日の朝、「お約束通り」バスケットに入れられた沢山のチョコレートを見てヒヨは、
「イースターバニーが来てくれた」と跳ね上がり、ジイジとバアバのところに飛んで行った。
やはり、ヒヨのようなまだ幼い子どもにとっては、自分が寝ているときにうさぎが自分のところにやってきてチョコレートを置いていってくれるなんて信じられないほど嬉しいことなのだろう。
イースターバニーが来たことを証明するのは置かれていたチョコレートだけではなかった。
来てくれたうさぎへの感謝の気持ちに「にんじん」もバスケットの近くに置くのだが、朝起きてみるとそのにんじんをかじった跡が残っていたのである。これではすっかり信じてしまう。
リアルなにんじんの歯型
が、にんじんに歯型を付けたのはイースターバニーでもなければ、父でも妻でもない。
他ならぬ「イースターバアバ」なのであった。
実はバアバは「これが大事なのよ」と言いながら、本当にうさぎのように歯を付きだしながら生のにんじんをかじって父と妻に渡していたのであった。あのときのバアバの嬉しそうな顔をヒヨにも教えてあげたいところだが、それはヒヨが大人になってからのお楽しみにしておこう。
イースターのチョコレートにはまだおまけがあった。
ヒヨに続いてジイジとバアバのところに行った父と妻が目にしたのは、ワラが敷き詰められた大きなバケツに入ったチョコレートと手紙だった。そこにはこう書いてあった。
「バスケットが置いてなかったから危うくチョコレートを渡しそこなうところだったよ。でもこのバケツがあったからラッキーだったね。オーストラリアのイースターを楽しんでくれたまえ。イースターバニーより」
ご丁寧にサインと自画像まで書かれていた。
オーストラリアのイースターもなかなか楽しいものである。
イースターバアバとジイジに感謝、感謝である。



この記事へのコメント
大自然を満喫してるね。
きっと子供達の心にいい影響を与えるんだろうなぁ。
都会のコンクリートジャングルで育つ我が子が可哀相になってきた。
ぅううううっ!ぃいいっぱぁあああい遊んであげるぞぉおおお
確かに、自然はいいよね。
でもあの農園であのまま生活してたらきっと野性児になって、都会の生活には適応できなくなりそう…。
まさに「クロッコダイルダンディー」。
あれってやっぱり本当の話??